あさもとクリニック【あさもと通信】心療内科的疾患等・心の病気の診断

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あさもとクリニックポイント心の病気の診断


<診断基準の難しさ>

現在はアメリカ精神医学会による「DSM-IV分類」、またはWHOによる「ICD-10分類」を使うことが多いですが、これらの基準はもともと統計をとるために作られたものであり、病気の本質や治療を示唆するものではないのです。いわゆる「正常」と「異常」の境界ははっきりしないものです。血液検査と異なり、客観的な数値による診断基準が存在しないのです。患者の訴え及び面接時診断者の主観に基づいた「勘」による診断に頼らざるを得ません。したがって、同一患者の病名が医師により異なる事も珍しくありません。病名自身はあまり重要ではなく、患者の状態(うつ状態、妄想状態、錯乱状態など)を手掛りに実際の治療が行われます。そのため、医師によって患者に病名を告げない場合があります。そのような診察者の主観をできるだけ排除した客観性の高いものが上記の「DSM-IV分類」や「ICD-10分類」です。

<時間的経過の必要性>

人の気分には波があって、日によって異なる場合があります。外来診察時は必ずしも安定しているときとは限りません。従って、診断は「経過」という時間的検証を待ってはじめて可能とされます。たとえば、「反応精神病」と「内因性精神病」は横断面には区別できず、後者が病気全体として周期的・自生的(他人や環境などの原因がなくても症状が自発的に出てくる)経過をとることが確認されてはじめて両者の区別が可能となります。

<心理的特徴>

不安や抑うつ状態では、筋肉の収縮が起きやすいです。神経質で、常に緊張し、適当に力を抜けることができず、上手に休みを取れない性格の方に起こりやすいです。ときには精神的な症状が少ない仮面うつ病や身体表現性障害が隠されている場合もあります。方々の病院にかかっていても中々頭痛がよくならない場合は心療内科よりもメンタルクリニックを受診した方がよいと思います。

<時代的・社会的背景の影響>

心の病はその発生、病像、経過に時代的・社会的背景の影響を強く受けます。たとえば、昔と比べて、「うつ病」が軽症化し、中高年層で激増しています。また、新しい形の非精神病性精神障害(不登校、出社困難、不適応、摂食障害など)が登場しています。心の病は単一の原因で起こるものではなく、内因性(元々持っている性格)、反応性(周りの環境の変化)などの要因が働いていると一般的に解釈されています。

<疾病性>

疾病性とは、医学的概念で、「病気でありか否か」の診断です。一方、「なぜ、どういう事情でそのようになったのか」という諸問題は医療よりも心理的なサポートが必要です。たとえば、精神病、神経症などは精神科の治療を必要としますが、人格障害・行動障害は病院よりも心理相談室の方が適切です。適応障害の場合はスクールカウンセラー、産業医とかかりつけ医の連携が必要となります。

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